アレルギーや夜尿症のような慢性病は、季節によって経過に波があります。
特に、おねしょは夏には汗をかいて軽快しますが、冬季はひどくなる傾向があります。
寒いときは、手足と同様膀胱(ぼうこう)はかじかみ、末梢(まっしょう)血管がちぢんで血液が腎臓へ向かい、おしっこの量が増えるためです。
当医院にも、小学4年生の男の子のお母さんが「夏休みにはもう治ったと思ったのに、気温が下がってからまた布団を汚します。来年の宿泊体験が心配です」と相談にいらっしゃいました。
本人は「しくじると恥ずかしいからいきたくない」と落ち込んでいるといいます。
対策として、夜間下半身を温める工夫をすることをオススメしています。
寝る直前に入浴して、ぬるめの湯にゆっくりつかり、体の芯まで温めます。カラスの行水ですませてはいけません。
その後、湯ざめしないようにすぐ眠るようにします。
また、布団は重ね、湯たんぽや電気アンカ、カイロの利用もオススメです。
足先が冷たいときは靴下をはくなど、身体を温める工夫をしましょう。
夜尿症外来では病型を区別し、それに合わせて適切な薬をだして治療しています。
ですが、日常の生活で注意を守らないと、薬の効果にも限度があります。
例えば、夜おそくまでテレビを見ながらミカンを食べれば、身体が冷え、睡眠中のおしっこが増加してしまいます。
夜尿症はよくなったり、再発したりしながら徐々に治っていくものです。
たとえぶり返しても、治療前に比べればもらす回数や量は少ない。あわてず、あせらず、ゆとりをもって対応しましょう。
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【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など